15 people found this review helpful
4 people found this review funny
Not Recommended
0.0 hrs last two weeks / 5.1 hrs on record (3.7 hrs at review time)
Posted: 16 Oct, 2016 @ 12:19pm
Updated: 16 Oct, 2016 @ 3:54pm

死を連想させるゲームが、死と無縁であってはならない

私はホラーゲームを楽しむためにもっとも大切なことは、プレイヤーの「生への執着心」だと考えている。
だがこのゲームには、いわゆるゲームオーバー的な死がない。
死と捉えられるような演出こそ存在するものの、それはプレイヤーの選択の結果とは言えず、とても無機的なものだ。

一人称視点は没入感の表現に優れ、自分がその世界に生きているかのような感覚を与えてくれる。
それがゆえに死はより大きな存在 -厄災であれ救いであれ- としてプレイヤーに降りかかってくるわけだが
上述のように Layers of Fear には、ゲームオーバーという名の自らの判断ミスによる死がない。

その事実を認めたとき、私は生への執着心を持つことの無意味さに飲み込まれた。
Layer of Fear は私の存在するもう一つの世界ではなく、ただのアトラクションと化してしまった。
いざ自分が外野の人間だと分かってしまうと、この世界の怪奇現象はすべて茶番にすり替わってしまう。
そこにはもはや恐怖心など微塵もなく、あるのは開発者がどういう意図でオブジェクトを配置し、
スクリプトを組んだのかという醒めた思考だけ。

私はこの時点でホラーゲームとして Layers of Fear を楽しむことをやめた。

その後も一応エンディングまでプレイしてみたものの、どうにも腑に落ちぬ結果となった。
個人的にストーリーが面白くないのが厳しい。
また演出面もどこかで見たことあるものが多く、同じようなパターンの繰り返しが多い。
パズル要素もかなり微妙というか、そこにある必然性あるのという感じ。
視線誘導にも難がありスムーズにゲームが進められなかったりするケースもみられ中盤以降はかなり作業的に感じられた。

言いすぎかもしれないけど、脚本とエンディングありきのコンセプト先行。
製作もある段階まではかなり情熱的ではあったものの後半はモチベーションが失速してしまったのかなという印象だった。

お勧めかどうかと聞かれたら、お勧めはできない。
このゲームに興味があるならまずは Amnesia The Dark Descent を遊んでみてほしい。
恐怖の演出、進行のスムーズさ、その他アイデアなど、大変にセンスを感じる作品だと思う。
そのあとなら Layers of Fear もある意味で楽しめるのではないだろうか。
Was this review helpful? Yes No Funny Award